それはよくある女の子同士の友達としての
触れ合いかなと思ってた。

菊美ちゃんが繋いだ手を離す

バレッタで束ねた髪の毛のおくれげが湯に濡れて
光っている。

お湯の中で離した手がワタシの胸に触れた

彼女を見る、彼女もワタシを見る
彼女の意思が伝わってくる

ワタシはそれを待ってたかのように目を閉じる

唇が唇を塞ぎ舌がノックする

それを受け容れると頭がしびれるような
長いキスが始まる

舌が絡み合う音に夢中になる

彼女の声が漏れる

ワタシの声は湯に溶けた…



#L 3


image



菊美ちゃんとの関係は、と聞かれればなんと答えていいのか迷ってしまう。

同僚…友人…恋人

どれも当てはまる。

彼女ほどワタシの事を知っている人間は他にはいない、男の子だった時からなにひとつ変わらずに
接してくれる。

思い当たった、
彼女はワタシの一番の理解者なんだ。


彼女が唇を離す
視線が絡み合う

「 照れちゃうね 」

彼女と向きあい、ワタシは彼女の太ももの上に座ると抱き合った。
下から乳房を揉んでくる、ワタシも彼女の乳房を揉む、意図的に乳首を唇にもってゆく
彼女の舌が乳首を捕らえる

「 アッ… 」

控えめに声が漏れる

しばらく乳首を舐められ快感に酔う、彼女の指がワタシの中心に下りていちばん敏感な部分を触る

「 イヤッ 」

鋭い快感が走る

「 嫌なの?」

「 もう… 」

返事の代わりに抱きつく
その言葉は男の子の時に何度も口にした

「 アッ、いい… 」

潤ってくるのが自分でもわかるがワタシのそれは純女ほどではない、人工的なものに頼らないと挿入するのに苦労する

「 ねえ、のぼせてきた 」

お湯からあがり洗い場にある岩の上に並んで腰掛けた、二人とも肌が朱を挿したように染まっている、風が気持ちいい。

「 菊美ちゃん女の子ともできるの?」

「 んーどうだろう、優姫が相手だったら違和感ないけど、多分大丈夫かもしれない、優姫は?」

「 ワタシはもともとバイだし菊美だったら大丈夫だよ 」

「 女の子の躰になっても、そうなんだ 」

「 一時、女の子は無理って時期あったけど、最近また盛り返したというか前より強くなってるような気がする 」

「 て、ことは私たちレズの関係?」

「 そうなるね 」

「 優姫と知り合ってから私もだいぶんアブノーマルになったわ 」

「 なったんじゃなくて潜在的にあったんじゃないかな、じゃないとワタシを受け入れないと思うから。それにアブノーマルなんて言い方やめてよ、マイノリティーね。」

「 マイノリティーって何?」

「 少数派って事よ、ワタシ達の場合だとセクシャルマイノリティーね 」

「 レズだとマイノリティーか…」

「 レズだけじゃないよ、他にもいっぱいある、人の性癖って千差万別じゃない。異性愛者以外はセクマイって事でくくってるけど、ワタシから言わせれば大なり小なり皆んなマイノリティーじゃないのかな 」

「 あんたが言うと説得力あるね 」

「 アハハ、修羅場くぐってきたからね 」

「 何も言えんわ 」

夕食は残念ながら部屋食じゃなく楓の間という部屋に案内された。
料理はどれも美味しかったがワタシが苦手な川魚は菊美ちゃんにあげ、代わりにゆば刺しを貰った、栃木の名物だそうでほんのり甘くて美味しかった。

夕食が済むと部屋に帰り内緒で持ち込んだワインを開けた、菊美ちゃんとワタシで一本ずつ持ってきた。
チーズをつまみに色んな話しをとりとめもなく話した、こんな時間が素直に楽しい。

しかし盛り上がるのはやっぱり恋ばななんだけどお互いの恋愛事情は知り尽くしているのでいまいち盛り上がりに欠け、どうしてもワタシの特異的な体験を聞きたがる、菊美ちゃんが悪戯な瞳で尋ねた、

「 優姫さー手術してもうエッチしたの?」

「 まだだよ 」

「 まだ!処女なの 」

「 処女って…まあそうゆう意味では処女ね 」

「 だって、もう手術して半年になるよね 」

手術して3ヶ月間はセックスはできない、それに心桜がいるのにできるわけない。
それを菊美ちゃんは知らない。

「 えーそれじゃあの棒だけ 」

菊美ちゃんはダイレーションに使うアクリルの棒の事を言っているのだ、ダイレーションは今でも続けている。いや、女であろうとする限り一生続けなければならない。

「 そうだよ 」
ワタシは苦笑し、言った。

「 せっかく手術して女になったのに、早くしたいでしょ 」

「 うん、してみたいね 」

「 正直だねー 」

菊美ちゃんはワインのボトルを持つと自分のグラスに注ぎかけ途中でやめた。

「 ジャンケンしよ 」

意味もわからずチョキをだすとアッサリ負けた。

「 優姫が負けだから脱いで 」

「 アウトセーフってやつ?」

「 違うよ、今にわかるから全部脱いで 」

「 全部ってショーツも?」

「 そう、私しかいないんだから大丈夫でしょ 」

「 意味わかんないよ 」

「 いいのいいの文句言わない 」

ワタシは浴衣と下着を脱ぐと前を隠した。

「 正座して手をどけて 」

言われるままにする、菊美ちゃんはワインのボトルを手に持つとそのまま閉じた太ももの間にワインを注いだ。

「 キャッ!なにすんのよ 」

「 動くとこぼれちゃうよ 」

すると彼女はワタシの太ももに顔をよせ、直接溜まったワインを飲みはじめる

「 信じらんない、これってオヤジがするワカメ酒じゃん菊美、古っ!」

彼女は一旦顔をあげると

「 そう今夜は無礼講だから 」

「 言うこともオヤジね、菊美ちゃん酔ってるでしょ 」

彼女はワタシの言う事には答えずワインを飲み、やがて一滴も残さないとゆうように舌で舐めとるようにしだした、ワタシの閉じた太ももに顔で割って入ろうとする

「 菊美、そこは恥ずかしいから 」

女性になって、まだ陽弥にすら見せたことがない場所が菊美ちゃんの目の前に晒されようとしている、ワタシは恥ずかしさのあまり顔を手で覆った

「 すごい、私のと変わらないねビラビラもちゃんとあるしクリトリスも 」

不意に温かく柔らかい感触をおぼえた、彼女が舐めている

「 やだ、恥ずかしいよ 」

ワタシは脚を閉じようとする

「 恥ずかしいでしょ、女になって初めてわかるよね。男は自分の快楽のために、どれだけ女に恥ずかしい思いをさせてるかが 」

菊美ちゃんは許してくれなかったワタシの敏感な部分を舌で責めた、ワタシはいつしか快感に身を委ね、シーツをつかんでいた。

「 気持ちいいんでしょ、濡れてるよ 」

そう言うとそれを掬いワタシに見せる
菊美ちゃんは自分の着ているものを脱ぐとワタシを上から抱いた、裸の肌と肌が重なる
柔らかくスベスベして気持ちいい。

キスをすると更に性感が昂まり我を忘れさせた。

菊美ちゃんは自分の濡れた体液を掬ってはワタシの膣に移す、ローションの力を借りなくても、そこは充分な潤いで満たされた。
いつの間に出したのか彼女は双頭バイブを持ち出した。確信犯だ、始めからこうなる事を予想して持ってきたのだ。
片方をワタシに挿入し終えると自分も挿入する、ちょうど真ん中あたりが球状になっていてスイッチを入れるとバイブする、奥まで挿入するとちょうど真ん中にあるバイブがクリトリスに当たるようになっていた、これを考えた人はすごいと感心した。

「 すごくエッチだね 」

お互いに挿入している部分を見ながら腰を動かす、快感の波が何度もワタシを絶頂へと押し上げる、女同士のセックスには終わりがない、味わったことのない快楽に夢中になり声をあげる。

お互いの躰を堪能し疲れはてた頃には2時間が経過していた。

「 大好きだよ 」

「 私も 」

下着もつけずに抱き合い眠りに落ちた。
過去よりもっと女性を好きになった自分がいた

女として…



にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログ 両性愛・バイ(ノンアダルト)へ
にほんブログ村


にほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ
にほんブログ村